TEPPEI KAWAI

河合鉄兵 - La Trattoriaccia

京都府出身。調理師専門学校卒業後、京都にある老舗イタリア料理店にて3年勤務したのち、イタリアに渡り、シエナ、フィレンツェなどのトスカーナ地方のレストランで約13年勤務。その後レッジョエミーリアのミシュラン星付きレストラン【Ca' Matilde】にてスーシェフを務めること3年。帰国後は、都内イタリア料理店で約2年間シェフを務めたのち、東京・広尾にて【La Trattoriaccia】をオープン。地元の人たちが親しみを込めて呼ぶ「なじみの店」という店名の意味そのままに、現地の日常に触れられる本場のトスカーナ料理を提供している。

NARRATIVE

旬の良い食材はシンプルに仕上げることがいちばんの美味しさ。
トスカーナ本場のイタリア郷土料理が国内で楽しめる。

東京は広尾で本場のトスカーナ料理を提供している【ラ・トラットリアッチャ】。現地の人々の暮らしとは切っても切り離せないトスカーナ料理は、地元産の肉や野菜をシンプルな調理法で豪快に仕上げるのが特徴だ。16年間、イタリアで暮らした河合シェフだからこそ出せる本場の味には、イタリア人も「ふるさとの味だ!」と目を細める。

「イタリア人の中に飛び込んで、ほぼイタリア人として生活していたからだと思います。現地の食文化や生活文化が身体に染み込んでいるので、今の季節だったらこれを食べたいな、これを作ろうかなという感覚が自然と芽生えてくるんです。現地では、技術というより感覚的なところを磨いた感じですね」

そんな河合は京都出身。専門学校卒業後、京都の老舗イタリア料理店で3年働いたのち、イタリアに渡った。当初は3年ほどで日本に帰ってくる予定が、16年まで延びたのはなぜだったのか。

「帰りそびれたというんでしょうか。(笑)シェフなどの重要なポジションを任されたり、滞在許可証を用意してもらったりすると、その恩に報いないといけないという気持ちが芽生えてきて、帰るに帰れない状態が続いたんです」

想定外ではあったが、「長くいたからこそのよさもある」と河合は言う。

「レストランで食べるものと家庭で食べるものは違うことを知るんですよね。休みの日に地元の家族に招かれると、見たことのない料理をおばあちゃんが作ってくれたりして。その地域にしかないものに魅力を感じたんです」

流れに身をまかせるがごとく「リーマンショックが起こり、イタリア経済が不安定になるまでは、現地で店を開こうと考えていた」という河合は、2016年6月に帰国。都内にある2軒のレストランでシェフを務めたのち独立。【ラ・トラットリアッチャ】をオープンした。

店の魅力はなんといっても、本場のトスカーナ料理を通して、イタリアへの小旅行気分を気軽に味わえるところにある。現地の店の雰囲気を再現しているのはもちろん、オリーブオイルや塩といった調味料や季節の野菜などの食材は、できる限り現地から調達している。最初に働いた店で「旬のいい食材はシンプルに調理するのが、一番おいしい」と学んだことは今も息づいているという。

「イタリアは地域色がはっきりしていて、食べものも食べ方も地域によって違う国。当店では、その地域に住む人しか知らないコアな料理を出しているので、イタリア人のお客さんから『これってどういう料理?』と訊かれることもありますね」

【ラ・トラットリアッチャ】を目指して、遠方からわざわざ食べに来る人も少なくないというのも納得だ。最近では、コロナ禍によりイタリア旅行をキャンセルせざるを得なくなった人たちも食べに来るという。

そんな河合シェフが考える美食とは何なのだろう?

「イタリアで過ごしているなかで、クリスマスやイースター、年越しといったハレの日に、毎年、決まったものを食べることもひとつの美食なんだと感じました。食文化と生活文化が完全に重なり合っているんですよね。現地の人にとっては、小さい頃から食べてきたから、それを食べ続けるのが好きなんだ、という感覚だと思いますけども」

今回ビショクルで提供するのが、「ハチノス(牛の胃袋)を野菜とトマトで煮込んだシエナ風トリッパだ。現地の人にはなじみ深い、日本でいう肉じゃがのような料理である。

「トリッパ以外に自家製サルシッチャ(ソーセージ)や豚バラ肉を入れ、仕上げにペコリーノチーズ(羊のチーズ)をかけているので、家庭ではあまり作らない手の込んだ料理と言えるかなと思います」

店名に使った「トラットリアッチャ」はイタリアの方言。地元の人たちが親しみを込めて「なじみの店」と呼ぶときに使う言葉だという。「その名前を聞いただけでトスカーナ料理だとわかる人にはわかるのがポイントですね」と河合シェフ。

その地域で脈々と受け継がれてきた「そこにしかない」伝統や文化に価値を見出す河合の姿勢は、イタリアにどっぷり浸かることを選んだ生き方にも通じている。時間をかけてこそ培われるものの価値を、シェフの料理は教えてくれているのかもしれない。

DISH

シエナ風トリッパ

河合鉄兵 - La Trattoriaccia

¥ 2,200 (税込み)

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河合鉄兵 - La Trattoriaccia

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河合鉄兵 - La Trattoriaccia

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河合鉄兵 - La Trattoriaccia

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VOICE

大阪府 女性 20代

M.E

イタリアの家庭料理のような素朴なお料理をイメージしていましたが、湯煎をして封を開けた瞬間ふわ~っとハーブの香りがキッチンに広がり食べる前から幸せな気持ちに。トリッパもぶりんぶりん、肉厚で、網になってる部分にソースをたっぷり絡ませて食べると肉々しくて最高。付属のチーズとオリーブオイルも少しだけ小皿に取り分けてパンにつけて食べましたがとても美味しかったです。細部にまで渡ってシェフのこだわりを感じられました。

新潟県 女性 20代

I.K

家庭でトリッパを作ると下処理が大変ですが、この商品は、臭みもなくとても食べ応えあります。20代前半の女性ですが、一食分だけでもかなりお腹いっぱいになりました。実際にこのお店に行ったことがありますが、お店の商品そのものでした。ですので、家でも美味しいトリッパを簡単に楽しめました。牛せんまいも歯応えがあり美味しいですし、ローズマリーが香った具はやみつきになりそうです。

大阪府 女性 40代

N.T

ハチノスの食感が楽しいですね。オリーブオイルの風味がよく、さらにチーズがまろやかさを演出してくれる。「美味しい」の一言です。家の食卓がイタリアンレストランになり、量もちょうど良かったです。
ごちそうさまです。

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RESTAURANT

La Trattoriaccia

本格トスカーナ料理のお店です。 現地に住まなければ分からない、その地に根付いた伝統の家庭料理や、イタリアの文化、トスカーナの雰囲気をイタリアでの16年培った経験を生かし、お料理とともにお届けいたします。

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